住環境が健康に悪影響を与える可能性があることをご存じですか。
無自覚のまま、体がダメージを受けていると考えると怖いですよね。
そこで今回は、住環境が原因で起こる疾患とその対策方法をご紹介します。

□住環境が原因の疾患とは

最近の住宅建設では、加工された素材が用いられたり、高い気密性を持つ仕組みが整備されたりしています。
これらはメリットを持つ一方で、体に悪影響を与える可能性があります。
シックハウス症候群やアトピー、喘息がその一例です。

シックハウス症候群はホルムアルデヒドなどの化学物質が原因の疾患です。
蕁麻疹や湿疹、めまいや吐き気といった症状を引き起こします。
また頭痛や気道の病気に感染しやすくなる、といった悪影響もあります。
原因となる化学物質を放散する素材が住宅で用いられ、部屋の空気が汚染されることによって、この病気を引き起こしてしまいます。

またアトピーや喘息は、カビやダニが原因の疾患です。
換気が行われておらず、湿度の高い環境でカビやダニが育ちやすくなります。
最近では高い気密性を求めるあまり、換気や湿度の調節が適切にできていない住宅が増えているのが現状です。

□健康を意識した家づくりのポイントとは

前の章で、住宅環境が原因で発症する病気についてご紹介しました。
快適に過ごすために、これらの疾患をきちんと対策している家に住みたいですよね。
そこでここからは、健康に意識した家づくりのポイントを4つご紹介します。

1つ目のポイントは、日当たりを良くすることです。

日光は体内のセロトニンを増やす効果や、ビタミンDの生成を手助けする役割があります。
また、朝日は体内時計を正しい状態に調節してくれます。
そのため、日に当たることは健康に良い効果をもたらします。
日当たりの良い住まいにするには、部屋の南に窓を設置することや寝室の東に窓を設置することが有効です。

2つ目は、内装をリラックスできる色にすることです。

内装の色は、精神面に深く影響を与えます。
おすすめは、白系やベージュ系を基調とした内装です。

白系を基調とした内装の場合、清潔感が生まれ、明るい部屋になります。
ただし真っ白な内装は落ち着かない面があるため、少し黄味がかった色を用いるのがポイントです。
またベージュ系の色は、温かみがあってリラックス効果をもたらします。
これらの色は膨張色であるため部屋を広く見せることができ、広々とした雰囲気を与えることもできます。

3つ目は、高い断熱性を持つ家にすることです。

家の外と中の温度に差があると結露が生じやすく、その部分にカビが繁殖しやすくなります。
カビは上記で述べたように、アトピーや喘息の原因にもなります。
そのため、断熱性をあげて家の内外でできるだけ温度差がないようにすることが大切です。

4つ目は、内装に自然の素材を使用することです。

自然の素材には湿度が高いと湿気を吸い取り、乾燥していると湿気を放出する機能が備わっています。
また同時に化学物質や臭いを吸い取ってくれるため、健康に悪影響を与える要因を取り除いてくれるでしょう。

□まとめ

今回は住環境による体への悪影響と健康に意識した家づくりのポイントをご紹介しました。
少しの工夫によって、住環境が原因の疾患にかかるリスクを減らせます。
家づくりを行う際は、この記事を参考にしていただければ幸いです。